村田諒太の世界初挑戦

 ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦で、ロンドン五輪同級金メダリストの村田諒太が、アッサン・エンダムに判定負けした。

  正直、彼に対しては興味も期待もなかったのだが、対戦相手は決して攻略不可能な相手ではないので、テレビで見ていた。

 結論からいえば、2ー1の判定負けであったが、終始、村田が優勢であったと思ったので、びっくりした。

 ボクシングのポイントは、手数であったり、有効打であったり、前に出るアグレッシブさであったりと、なかなか難しいのだが、素人が見て分からないような判定ではダメだと思う。今日は村田の勝ちであると思う。

 ちなみに、私は村田のことは、好きではない。彼本人はいい奴な気がするが、感情移入できないというか。彼を売り出すやり方が気にくわないだけか。

 今日もさかんに、「史上初!ミドル級で金メダリストが世界チャンピオンか」みたいな煽りがあったが、アマチュアの戦績なんか参考程度であり、プロの世界では関係ない。

 それより、1995年にミドル級では、竹原慎二が既に王座を獲得している。このミドル級は、約72.5キロがリミットであり、世界的に激戦区なので、挑戦すること自体が非常に難しい。

 竹原氏の二番煎じでは売りが弱いのか、さかんに金メダリストと宣伝しているのが、嫌いな理由かな。

 軽量級と違い、欧米人など世界で最も層が厚い、この体重あたりの階級は、日本人で勝ち進むのは本当に難しい。そもそも、国内では対戦相手すら満足にいるかどうか。

 昔と違い、現在は4団体(WBAWBCIBFWBO)が国内で認められ、さらにはチャンピオンの他にスーパーチャンピオンもいるなかで、昔よりは世界王座に就きやすい現在のボクシング情勢ではあるが、ミドル級での再挑戦は難しいだろう。

 特に、今回は、対戦相手を日本に呼んでの試合だから、相当な赤字だろう。そこまでしても、今回は獲りたい試合であったと。今回の対戦相手は、元チャンピオンとはいえ、さほど強くはない。

 亀田長男のやり方は論外だが、戦いやすい相手を選んで試合を組むのは決して悪い話ではない。いわゆるマッチメークだが、世界的に決して強くはない村田が獲るのは今回が最大のチャンスではなかったか。

 彼の思い切りのいい右ストレートはよかった。いざ人間と対峙したら分かると思うが、なかなか右ストレートは打てない。

 今回は村田の勝ちだ。みんな分かっているので、また頑張って欲しい。